ものたりない。
2007年12月22日
考え事の日。
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iuが研究している分野は学際領域といわれるもので,色んな学問の寄せ集め的な要素が非常に強く,実際iuも情報工学,心理学,経済学,作戦研究(OR),社会科学などの知見を色々と混ぜ合わせて使っています。
具体的には「何人かで物事を話し合って決めるのを便利にするようなモノを作る」言うことを目的として,上記のように様々な分野の知識を組み合わせて研究作業を進めている…という感じ。
で,“物事を決めるための話し合い”ということになると,その話し合いの中では“交渉”といった状況も発生するわけで…
そんなこんなで普段から交渉というものについても色々と考えていて,本屋さんなんかでもそう言う系統の書籍を探したりするのですが…。
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どうも本屋さんで見かける交渉に関する本って「相手からいかに奪うか」みたいな本,また「交渉学」ではなくて小手先の「交渉術」に関する本ばかりで何だかなぁと思い中です。
(学問的には(米国ではビジネス的にも)ハーバード流と言われる「win-win」な関係を築く交渉の方が良いよねと言うことになっている事を考えるとゼロサムの本が多いというのはちょっと…。因みにiuの研究も合理的な解だけを追い求めるのではなくて,“みんなが同じくらいに満足できて,話し合いの後でも和が保てるような解”を求めることに主眼を置いています。)
勿論,1つのピザを2人で取り合いっこする様な分配型(ゼロサム)の交渉って世の中に沢山あるし,そう言うときに有効な戦略や戦術を身につけておくことは大事と思っていて,その手の本が多いからといってそれは悪いことではないのですが…
内容がどうもiuにはしっくり来ないものが多いです。
特に交渉における「心理戦」「情報戦」の重要性について語ってあっても軍事学でいう「心理戦」「情報戦」のようなきっちりと理論だった様なモノではなくて(まあ和書で軍事学的な「心理戦」に関するきちんとまとまったモノ自体見かけないのですけれど(^-^;))雑学系の心理学の本から取ってきたような「心理おもしろテクニック」が載ってるだけだったり(そして研究の前提条件(これこれこの場合についてのみ有効という拘束条件)を全く無視して“いつでもどこでも使えます♪”といったニュアンスに替えてあったり)というのがどうも満足できません。
(数理だけならゲーム理論の良い本がいっぱいあるのでそれで,別途それを読むことで事足りるのですが。)
そんなこんなで「交渉学」もしくは「心理戦」やら「情報戦」についてきっちりまとまった良い本がないかなぁと探し中な今日この頃なのでした。
(※「交渉学」系の本は一応何冊かありますが,ゲーム理論から心理までを1冊に“学問的に”きっちり扱った本が欲しいという意味で。いや,自分で書けばいいのだし出来れば書きたいですけれど,自分でそう言う系の本を書くにはまだまだかなりの修行が(笑))
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おしまい。
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iuが研究している分野は学際領域といわれるもので,色んな学問の寄せ集め的な要素が非常に強く,実際iuも情報工学,心理学,経済学,作戦研究(OR),社会科学などの知見を色々と混ぜ合わせて使っています。
具体的には「何人かで物事を話し合って決めるのを便利にするようなモノを作る」言うことを目的として,上記のように様々な分野の知識を組み合わせて研究作業を進めている…という感じ。
で,“物事を決めるための話し合い”ということになると,その話し合いの中では“交渉”といった状況も発生するわけで…
そんなこんなで普段から交渉というものについても色々と考えていて,本屋さんなんかでもそう言う系統の書籍を探したりするのですが…。
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どうも本屋さんで見かける交渉に関する本って「相手からいかに奪うか」みたいな本,また「交渉学」ではなくて小手先の「交渉術」に関する本ばかりで何だかなぁと思い中です。
(学問的には(米国ではビジネス的にも)ハーバード流と言われる「win-win」な関係を築く交渉の方が良いよねと言うことになっている事を考えるとゼロサムの本が多いというのはちょっと…。因みにiuの研究も合理的な解だけを追い求めるのではなくて,“みんなが同じくらいに満足できて,話し合いの後でも和が保てるような解”を求めることに主眼を置いています。)
勿論,1つのピザを2人で取り合いっこする様な分配型(ゼロサム)の交渉って世の中に沢山あるし,そう言うときに有効な戦略や戦術を身につけておくことは大事と思っていて,その手の本が多いからといってそれは悪いことではないのですが…
内容がどうもiuにはしっくり来ないものが多いです。
特に交渉における「心理戦」「情報戦」の重要性について語ってあっても軍事学でいう「心理戦」「情報戦」のようなきっちりと理論だった様なモノではなくて(まあ和書で軍事学的な「心理戦」に関するきちんとまとまったモノ自体見かけないのですけれど(^-^;))雑学系の心理学の本から取ってきたような「心理おもしろテクニック」が載ってるだけだったり(そして研究の前提条件(これこれこの場合についてのみ有効という拘束条件)を全く無視して“いつでもどこでも使えます♪”といったニュアンスに替えてあったり)というのがどうも満足できません。
(数理だけならゲーム理論の良い本がいっぱいあるのでそれで,別途それを読むことで事足りるのですが。)
そんなこんなで「交渉学」もしくは「心理戦」やら「情報戦」についてきっちりまとまった良い本がないかなぁと探し中な今日この頃なのでした。
(※「交渉学」系の本は一応何冊かありますが,ゲーム理論から心理までを1冊に“学問的に”きっちり扱った本が欲しいという意味で。いや,自分で書けばいいのだし出来れば書きたいですけれど,自分でそう言う系の本を書くにはまだまだかなりの修行が(笑))
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おしまい。
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