幽霊人命救助隊

2004年5月26日 読書
ISBN:4163228403 単行本 高野 和明 文藝春秋 2004/04/07 ¥1,680

「夕方までは死なないでください。
            僕たちが必ず助けてあげます。」
天国行きを条件に,それぞれの理由で自殺した4人の幽霊が
地上で自殺予備軍100人を助ける。タイムリミットは49日。

表装も題名も,なんだか小学生高学年以上向けのファンタジー小説のような風味で暇つぶしにいいかもと手にとって見たライトファンタジー。
実際,対象年齢としては小学生高学年以上向けなのかな?

「自殺」とか「鬱」とか重いテーマを扱っているのですけれど,
単純化したり,テンポよくいろんなケースを次々に出してくることで
飽きさせず,さらさらっと読めてしまうと思います。
イメージとしては,この日記のランダムジャンプをつかって
ぽんぽん色んな方の日記を見て,困っている人を助けて回る?
見たいな感じの物語でしょうか。それぞれに,心を打ついろんな理由があって
ついつい引き込まれてしまいます。

色んな自殺につながる悩みのケースや,その解決法?が
次々に紹介されているわけで,その面では自殺防止のサーベイ論文的な
趣きもあわせもつ一粒で二度美味しい物語ともいえるかもしれないです。

#iuは単純に幽霊同士のジェネレーションギャップに基づく
#(幽霊はみな死んだ世代や年齢が違うので。)ちぐはぐな会話や
#パラグライダーで登場する偏屈な神様が単純に好きです(笑)

iuが久々に新刊で購入して,その日のうちに一気に読み終えた作品でしたっ
軽い鬱の方?にはとくにお勧めなのかも。
フィクションとしても,ライトタッチの自殺予防マニュアルとしても
有効そうな一冊です。

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